流動解析とは?基礎からわかる成形不良対策
射出成形において、「反り」「ヒケ」「ショートショット」「ウェルドライン」などの不良は避けて通れない課題です。
こうしたトラブルを事前に予測し、対策を立てるために活用されるのが流動解析(Flow Analysis)です。
本記事では、流動解析の基礎から、実際の活用メリットまでわかりやすく解説します。
流動解析とは?
流動解析とは、3D CADデータをもとに樹脂の流れ・冷却・固化の挙動をシミュレーションする技術です。
CAE(Computer Aided Engineering)の一種で、成形プロセスを「可視化」することで、設計段階から不良の原因を予測できます。
流動解析で予測できる不良現象
- ショートショット:樹脂がキャビティ全体に充填されず、部品が欠ける
- ウェルドライン:樹脂が合流した部分に線状の痕が残る
- 反り:収縮差による形状の歪み
- ヒケ:肉厚部分の収縮による表面のへこみ
- ガス焼け:樹脂充填時に発生したガスが焼き付き跡を残す
流動解析のメリット
1. 設計段階でのリスク低減
金型を製作する前に不具合を予測できるため、試作回数を削減できます。
設計変更やゲート位置の調整もシミュレーション上で可能です。
2. コスト削減
試作金型やトライの回数を減らすことで、開発コストを抑制できます。
また、量産開始後の不良率低減にも直結します。
3. 開発スピードの向上
設計と解析を並行して行えるため、開発リードタイムを短縮できます。
顧客要求に対して迅速にフィードバックできる点も強みです。
実際の活用事例
ある家電部品の開発において、流動解析を用いてゲート位置を最適化した結果、反りによる不良率を40%削減。
さらに、量産立ち上げ時のトライ回数を従来の半分以下に抑えることができました。
まとめ
流動解析は「成形不良を減らすだけのツール」ではなく、開発スピード・コスト・品質すべてに影響を与える重要な技術です。
当社では金型内製と組み合わせ、設計初期から流動解析を活用することで、トラブルを未然に防ぎ、効率的なものづくりを実現しています。
成形不良対策や開発プロセスの効率化に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。